このページの最終更新日:2026年10月21日
当ブログ「狡兎三窟」は、一人の素人が問いを立て、AIとの協働で書き上げた思索的な論考を公開しているサイトです。2026年7月3日に開設し、現在は一日一本のペースで論考を公開しています。ここでは、このブログが何を試みているのか、どこから読み始めればよいのか、そして論考がどのように作られているのかをまとめています。
※狡兎三窟とは、中国・戦国時代の故事に由来する四字熟語で、「身の安全を守るために、あらかじめ複数の避難場所や手段を用意しておくこと、またその周到な備え」を指します。「家庭」と「仕事」に加えて「もう一つの穴」を掘ろうと思ったときに、自然と頭に浮かんできたのがこのネーミングでした。
このブログが試みていること
筆者は、どの分野の専門家でもありません。持っているのは、実務の現場で培った「問いを立てる力」だけです。足りない知識の側をAIがどこまで補えるのか、そして素人とAIの協働がどのような論考を生み、どのような課題を抱えるのか。このブログは、それを確かめるための実験の場です。
筆者は原作者と編集者を兼ね、AIは作画を担う漫画家にあたります。問いと着想と最終判断は筆者が持ち、知識の肉付けと文章化をAIと分け合っています。
扱う題材は、四季や墓、外食産業やボカロ、AIやアルゴリズムまで多岐にわたります。共通しているのは、ある仕組みが「なぜそうなっているのか」を構造から描こうとする姿勢です。善悪を裁いたり、何かを糾弾したりすることを目的にはしていません。仕組みを支えてきた先人や現場の営みへの敬意を保ちながら、見慣れた光景を少し違う角度から眺め直すことを目指しています。
匿名の素人だからこそ、学術の世界のように誤りを恐れて口を閉ざす必要がありません。そのかわり、ここに並ぶ論考はすべて仮説です。確かな結論としてではなく、未検証の内容や論理の飛躍が含まれます。そのため、何かを考える際の足場として読んでいただければ幸いです。
このブログを特徴づける五本
狡兎三窟がどのように世界を見ているかが、最もよく表れた論考です。
- なぜ合理の極みは「魔術」に見えるのか:ヴェーバー、サイモン、ルーマンをつなぎ、合理化の果てに人間がふたたび呪術的にふるまうようになる逆説を描きます。このブログの書き方の姿勢が、結びの章に表れています。
- 依代としての初音ミク:誰でもない歌声に、なぜ無数の想いが降りたのか。中身を溜める容器と、想いを招いては見送る依代の違いから読み解きます。
- 拒絶権としての貯蓄:お金は、使わずに持っているときにこそ人を自由にする。身近な題材から、常識を疑ってかかる一本です。
- IP消費と寄生戦略:私たちはなぜマクドナルドのCMに心を動かされるのか。企業が既存の物語に寄り添って生き延びる戦略を描きます。
- 「見せない権威」はなぜ続くのか:誰も実物を見られない三種の神器が、千数百年にわたって正統性を支えてきた仕組みを読み解きます。
テーマ別の入口
論考どうしはリンクでつながっています。関心のあるテーマから入り、気になる記事へ読み進めてみてください。
システムと人間
合理的に作られた仕組みが、なぜ人間の思いどおりに動かなくなるのか。
アテンション・エコノミー
人々の注意そのものが奪い合われる時代に、メディアと社会はどう変わったのか。
AI時代の知性
AIが知識の側を引き受けるようになったとき、人間に残る考える力とは何か。
外食と小売の見えない仕組み
値段や店のあり方の裏で、何が支払われ、何が見えなくなっているのか。
空白・器・依代
空いているからこそ働くもの、満たされることで働くもの。
歴史と制度
制度はどのように生まれ、どのように行き詰まり、どう組み替えられてきたのか。
AIがおすすめする10本
協働しているAIに、全論考の中からテーマ別におすすめを選んでもらいました。選定は随時更新します。
概念索引
当ブログの論考で中心に据えている概念を、先行する学問や思想から借りたものと、当ブログで独自に名前を付けたものに分けて並べています。それぞれ、その概念を正面から論じた記事へつながっています。
既存の概念
学問や思想の世界ですでに使われている概念です。当ブログでは、これらを手がかりに独自の角度から論じています。
- アテンション・エコノミー:人々の注意そのものが奪い合われる経済。
- 合成の誤謬:一人ひとりの合理的な選択が、積み重なると全体の破局を招くこと。
- 脱魔術化:ヴェーバーが描いた、世界は原理的には計算と理解で見通せるという信念が、呪術や神秘を退けていく過程。
- 依代:想いを招き、降りた想いがやがて去っていく目印。中身を溜める容器と違い、満たされきることがない。
独自に名前を付けた概念
論考を組み立てる中で、当ブログが名前を付けた概念です。既存の議論に近いものもありますが、名前と組み立ては仮説として提示しているものです。
- 欠くべからざるフィクション:心と体を分けて扱う見方は、虚構と承知のうえで医療に欠かせない、という考え方。
- 記号の空白:語らないことで、受け手の側に意味を呼び込む余地。
- 機能的錯覚:消せない恐怖の身体反応に、人が選んで与える意味づけ。
- 拒絶権としての貯蓄:使わずに持っているお金が与える、断ることのできる自由。
- 空席(エリート):エリートとは人ではなく、社会が責任の受け皿として用意した席の名前である、という見方。
- 米史観:米を食べなくなった今も、米を物差しにして世界を測り続ける日本社会のあり方。
- 再魔術化:一般には世界に意味や神秘が戻ることを指す語ですが、当ブログでは、合理化を突き詰めた結果、人間には読み解けないシステムに呪術のように順応するほかなくなる逆説を指して用いています。
- 事後説明的補修:古い理論を延命させるために、後から説明を継ぎ足していくこと。
- 集団的情動同期:粗く不自由なメディアが、同じ時間に同じ感情を分かち合わせていた働き。
- 生存適応型ジャイロ効果:人類が滅びそうで滅びない理由を、回り続けるこまの安定にたとえた仮説。
- 遡及観測モデル:嘘は語られた瞬間ではなく、あとから振り返る眼差しの中で嘘になる、という見方。
- 損切り(形式の放棄):形を手放すことで本体を守る、権力の手放し方。
- 知の8合目:AIによって誰もが届くようになった地点と、そこから先へ跳べる人との分かれ目。
- 等価交換アジール:名前も素性も問われずに居られる、対価で成り立つ避難所。
- ナラティブ型インデックス:「蛇足」の二文字のように、物語ごと呼び出す短い言葉の働き。
- 残り物生存仮説:生き残るのは最も優れた者ではなく、成功の蓄積で自滅しなかった残り物である、という仮説。
- プリテンド(共犯的合意):演じていると互いに知りながら、それに乗るというアイドルと観客の合意。
- 見せない権威:実物を誰にも見せないことで正統性を保つ仕組み。
- 民主主義のバグ:政治家を民意の変圧器と見たときに浮かび上がる、民主主義の構造的な不具合。
- やり過ごす知性:夜を意味で埋め尽くさず、ただやり過ごしてきた人類の知恵。
- 容器の実体化:後から付けられた器である「氏」が、人の本体のように扱われていくこと。
論考の作り方と運営について
当ブログの論考は、すべてAIとの協働で作成しています。役割の分担は次のとおりです。
- 問いと着想:筆者が立てます。
- 壁打ちと素案:Geminiと論点が尽きるまで対話します。
- 一次確認:Grokで評価を確認し、問題点を確かめてGeminiに戻します。
- 事実確認・論理の確認と清書:Claudeで行います。
論考はいずれも仮説であり、正確性や学術性を必ずしも保証するものではありません。公開後も誤りや読みにくさに気づいたものは改稿しています。2026年10月には協働体制を見直し、それまでの約160本を全面的に書き直しました。投稿直後の初版は、ウェブ魚拓に登録するようにしています。
運営の節目ごとに、取り組みの趣旨や体制について書いた記事もあります。

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