AIとの協働体制の再編 ── Claudeの導入と、過去約160稿の全面リライトについて

取り組みを始めておよそ3ヶ月、当ブログの制作体制に大きな変更を加えました。新たにClaudeを迎え入れ、Gemini、Grok、Claudeの三者による分業体制へと移行したうえで、これまでに公開してきた約160本の論考すべてに手を入れています。本稿では、その経緯と判断の理由、そしてこの変更が過去の記録に及ぼす影響について記しておきます。

AIに「最適なAI」を尋ねるところから

きっかけは、10月の初旬にGeminiへ投げかけた一つの質問でした。「この取り組みに最も向いているAIは何か」。半ば戯れのような問いでしたが、返ってきた答えはClaudeというものでした。

自らではなく他のモデルを推薦するという回答そのものに、少し興味を引かれたというのが正直なところです。試しに導入してみたところ、事実関係の確認や論理の運び、文章の仕上げといった点で、想像していた以上の手応えがありました。

三者による分業体制へ

そこで、これまでGeminiを主軸にGrokで検証するという二者体制だったものを、三者の分業へと組み替えました。役割は次のとおりです。

  • Gemini:壁打ちを重ねながら、論考の素案を作る
  • Grok:素案に対する一次チェック
  • Claude:事実関係の確認、論理展開の検証、そして清書

原作者兼編集者としての私の立ち位置は変わりません。ただ、作画を担う側が三者のチームになり、それぞれの持ち味に応じて工程を分けたことで、一本の論考が仕上がるまでの見通しが、以前よりも格段に良くなったと感じています。

過去の論考を書き直すという判断

体制の変更にあわせて、約3日間をかけ、過去の約160投稿すべてをClaudeで全面的にリライトしました。

この判断には、少なからず迷いがありました。当ブログは、AIとの協働の過程と、その中で生じる変化そのものを記録し、観測する場でもあります。その趣旨に照らせば、過去の論考は当時の姿のまま残しておくべきではないか、という考えも当然ありました。

それでも書き直すことにしたのは、Claudeによるチェックを通すと、内容の誤りや誤字が想像以上に見つかったからです。誤りがあると分かっているものを、記録としての価値を理由にそのまま公開し続けることとを天秤にかけ、いま公開しているものの精度を優先しました。

もっとも、過程の記録を手放したわけではありません。これまでの投稿は、いくつかのウェブ魚拓サービスに分散させて保存してきました。リライト前の版はいまも誰でも確認でき、書き直す前と後を見比べることもできると思います。

なお、本文中で「GeminiとGrokを使って作成した」と記している論考にも、実際にはすべてClaudeの修正が入っています。また、これまでの節目の記事で折に触れて記してきた論考の総文字数や平均文字数も、リライトによって変化している可能性が高いことを、ここにお断りしておきます。過去の記事に記した数値は、あくまでその時点のものとしてお読みいただければ幸いです(現段階で、公開済みは167本、空白を除いて約99.5万字、1本あたり平均約6,000字だそうです)。

ただし、リライトを経たからといって、誤りがなくなったわけではありません。Claudeもまた事実を誤りますし、もっともらしい文章を作り出すという点では、他のAIと同じ危うさを抱えています。三者体制は精度を高めはしても、誤りをゼロにするものではありません。書き直した160本にも、まだ誤りは残っていると思います。理解しきれない部分も含めて公開するという姿勢は、体制が変わったいまも変わりません。

エッセイへの舵切り

リライトにあわせて、もう一つ方針を定めました。文体の方向性です。

これまでの論考は、エッセイ寄りのものもあれば学術論文寄りのものもあり、正直なところ、どちらつかずのまま揺れていました。今回、これを明確にエッセイ寄りへと寄せるよう指定しています。論理として一定の整合性は担保しつつも、学術的な厳密さに縛られて発想の飛躍を手放すことはしない。むしろ、その飛躍こそを大切にしたいと考えています。

もともと当ブログの趣旨は、学術的な正しさの追求ではなく、人間とAIの対話が生み出す思考のプロセスを提示し、観測することにありました。エッセイという器は、その趣旨により素直に沿う形だと思っています。

結びに代えて

最初は20本ほどのストックから始めた取り組みも、気づけば公開済みで160本を超え、手元のストックを合わせれば、すでに200本を上回っています。

道具が変わり、体制が変わり、過去の論考の姿も変わりました。それでも、一人の人間がAIとともに思考を投げかけたとき、情報生態系に何が起こるのかという根本の問いは、何も変わっていません。これからも特別な目標を掲げることなく、可能な限り、淡々と続けていくつもりです。

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